ブログトップ | ログイン

ビアンカの食器棚

大好きな食器の記録を中心に・・


by things-to-do
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

今月の本




天気予報は外れています
雪が降った後は気温が上がり好天気と聞いていたのに、今日も曇天170.png


カップケーキを焼きました
今日は引きこもって読書の一日
家にある材料で混ぜただけのケーキが明日の休日のおやつになります


d0159120_14473879.jpg




最近WOWOWで映画を観て、原作を読み返したくなりました
実は10代の頃、弟の机にあったこの本を借りて読んでいます
古びた装丁でページさえ変色していたあのときの本は
弟が古本屋で買ってきたものではなかったのか、と今は思います

数年前、家族で長崎を旅した折の最終日
ホテルの用意したツアーを利用して効率よく名所を廻りたいと考えました
ですけど、朝食後、ロビーに集合したのは私たちだけで
ひとりタクシーの運転手さんが待ち構えていて「私、ガイドの資格ありますから。
ご案内できますから。」と私たちの荷物をかき集め、気ぜわしく車に乗せられました

運転手さんは50代だったかな
大浦天主堂、グラバー園、平和公園、文字通り駆け足で早口で連れ回され
帰りの空港に向かう頃には夫も息子もげんなりした様子でした
予定より三時間も早く一回りしてしまったのですから
車の中でも、せわしなくおしゃべりする運転手さんの話をほとんど覚えていないのですけど
ただ一つ、私がはっとして後部座席から景色を眺めた瞬間がありました

「お客さん、ここです。ここの海です!遠藤先生の沈黙!ガルペ神父が殉教なさった海です!」


グラバー園からも海は見ました
前日には五島列島を周遊する船にも乗ったのです

それでも、この一瞬、運転手さんが叫んだ海をずっと忘れることがありません




d0159120_14472902.jpg



結局、あの古い本を、私は弟に返すことをしませんでした
結婚するときもダンボールに詰めて実家から運び出しました

だけどきっと、古くて汚れた本をふたたび読むことはなく、私は捨てたんだと思う



d0159120_14471814.jpg


そして長崎の空港に向かうタクシーの中で
物語の海を忘れていなかったことを
何でかな、すごく切ない気持ちで思い起こしたんだと思う







by things-to-do | 2018-03-23 16:04 | 日々のこと